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「旅の指さし会話帳」で活躍するイラストレーター・北島志織さんの野望、それは“画家”になること!
ついに2007年3月下旬からスタートしたニューヨーク生活。アーティストとして、新米ニューヨーカーとして、日々のなかでの発見や感じたこと、活動の様子を綴ります。【毎週月曜日更新予定】

配信 : 情報センター出版局 http://www.4jc.co.jp/
「旅の指さし会話帳」公式サイト http://www.yubisashi.com/
●第18回●アメリカ人との2人暮らし
NYに来て3ヶ月。
夏がやって来ると思いもよらぬ問題が発覚した。
私の部屋には窓がない。そのせいでめちゃめちゃ暑いのだ。窓がないうえに風が全然通らない場所にあるので、だいたい外気温プラス3〜5度くらいになる。つまり外が30度の日には34度とか。暑さで夜も眠れないし、座っているだけなのに汗が止まらない。当初から「窓がない分暑いかも」とは聞いていたのだけど、まさかこれほどとは…。
というわけで、窓を手に入れるため、またもルームシェア情報を探す日々が始まった。

前回同様、情報はインターネットで探すことにした。
今度は少し英語にも慣れてきたってことで、英語の情報にも目を通してみる。NYで有名なのは「クレイグス・リスト」。NY中のさまざまな情報を網羅していて、部屋情報以外にも、売り買いやイベント、出会い系などなど、いろんな情報が載ってる。
1日に何千件という数の投稿がある巨大掲示板で、例えば部屋探しをするにしても、希望に応じて場所、レントの上限〜下限とかで検索もできちゃう。
例えば私は「ブルックリン、350〜450ドル」で検索していた。それに該当する書き込みだけでも、1日に最低10件は出る。ものすごい数である。
ただし、物件の数もものすごい分、競争率も半端じゃない。過去に「クレイグス・リスト」に書き込みをしたことがある人によると、初日だけで80〜100件ものメールが届いたとか。
すぐにメール、すぐに電話して、すぐに決めないと、情報が素通りしていくだけで、いつまで経っても何も決まらないのだ。
●第18回●アメリカ人との2人暮らし_b0104589_22343087.jpg
で、私は「ブルックリンの真ん中〜南の地区で、通学やマンハッタンへのアクセスがいいQライン沿い、400ドル前後、今より狭くなくて窓がある部屋」を探していた。条件に合うものはだいたい2日に1件くらいは見つかるんだけど、メールを送ってもほとんど返事は返って来ない。たまーに返ってきても「もう決まりました、ごめんなさい」くらい。
送るタイミングが少し遅いだけでも不利だということで、1日5回以上も掲示板をチェックし、送るメールの内容も少しずつ工夫して、印象に残るように写真も添付したりした。そして10件以上送ってみて初めて、ちゃんとした返事が返ってきたのだ!!

返事を見てすぐに家を見に行き、その日のうちに決めた。だって私の後にその家を見にくる予定が3人も入っていたのだ。ちょっと考えている間に、すぐに次の訪問者が…。こりゃーゆっくり考えてる時間はない。問題があったらまた引っ越せばいいか、と即決した。

そうして決まった新しい部屋は、ブルックリンの真ん中くらい、ロシア人が多く住む静かな住宅街にある。
レントは450ドルで、窓が2つ付いた7〜8畳くらいの部屋に、リビングと広いキッチン、バスルームをシェアする。そして新しいルームメイトは、チャイニーズアメリカンの女の子、セレナちゃんだ。
22才の彼女は、アパレル会社で海外との商品取引の部署で働いている。実家はマンハッタンのチャイナタウンの近く。初めて家を出て、数ヵ月前に借りたばかりなのだそうだ。先月まで入っていた最初のルームメイトは短期だったため、まともにシェアする相手は私が初めてだとのこと。
私にとっても初めての外国人とのシェアだし、最初は少し不安もあったけど、幸いとてもいい子だった。
いつもニコニコしていて、私の不自由な英語にも嫌な顔ひとつせずに相手してくれるし、実家に帰った時なんかにお土産にお菓子を買ってきてくれたりする、ちょっと出来すぎなルームメイトなのだ。おかげですぐに仲良くなって、今では週に1度くらい、お互いの時間が合う時には、一緒に夕食を作って食べたりもする。

NYでは、シェア相手を探すのも引越をするのも、とても簡単だ。
だからこそ、1つの場所に長く住むっていうことは少ない。1年に何度も引越をするっていうことも珍しくないそうだ。しかし、簡単とはいえ、やっぱり引越は面倒なもの。今度こそ、長く住めるといいなあ。

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NY掲示板「クレイグス・リスト」
http://newyork.craigslist.org/
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by webmag-d | 2007-08-27 22:35 | アメリカ人との2人暮らし