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「旅の指さし会話帳」で活躍するイラストレーター・北島志織さんの野望、それは“画家”になること!
ついに2007年3月下旬からスタートしたニューヨーク生活。アーティストとして、新米ニューヨーカーとして、日々のなかでの発見や感じたこと、活動の様子を綴ります。【毎週月曜日更新予定】

配信 : 情報センター出版局 http://www.4jc.co.jp/
「旅の指さし会話帳」公式サイト http://www.yubisashi.com/
カテゴリ:NY!NY!NY!
  • NY!NY!NY!
    [ 2007-02-06 12:46 ]
NY!NY!NY!
画家になるには、もっとたくさん展示をしなくちゃ!
ウィーンでの個展を終えて東京に戻ると、すぐにグループ展を企画することにした。
コンセプトを立てて参加者を募り、いくつも展示をやってみる。同じテーマでも、参加者ごとに独特の視点があって、コンセプトの捉え方や作品の切り口も人それぞれ。展示に慣れた人からは、見せ方のいろいろな手法を教えてもらえる。
ウィーンで初めての個展を終えて、今後の展開を模索していた私にとって、人の展示を見ることは何より勉強になった。
そうして、1年半の間に5つのグループ展を企画し、個展も1度行った。

だけど展示に慣れてくると、それだけじゃ満足できなくなってくる。
「自分の作品テーマ」っていうものが漠然と形になってきた頃。ある疑問が浮かんできた。
一体これで画家になれるんだろうか。そもそも画家ってなんだろう? どうやったらなれるの?
私にとっての「画家」とは、単に絵を売って生活する人っていうだけじゃなくて、何とゆーか「生き方」のようなイメージなのだ。
一生ずっと絵を描き続けることに絶対の自信はあるものの、はたしてそれが“画家”なのか。 
受け身で何かを待っていたって、作品も私自身も変わらないんじゃないかなぁ?
そんなことをグダグダと考えて悩んでいた時、ふとひとつの街の名前が浮かんだ。

Big Apple : ニューヨーク

誰でもかじっていいリンゴ、誰もが夢を追う街。

Big Appleというニューヨークの愛称の由来には諸説あるそうだけど、前に本で目にした「Big Apple=誰でもかじっていいリンゴ」という言葉がなんとなく記憶に残っていた。それだけの夢とチャンスがある街なのかなぁ。
そこにに行けば画家ってものが何だか、分かるような気がした。
そんなわけで、夢を見るためのNY移住計画がスタートしたのだった。

画家になりたいからNYに行く。
そう決めてはみたものの、根拠はなーんにもなかった。
それまで私が旅行した国といえば、個展で行ったオーストリア・ウィーンを除けばほとんどが東南アジア。根っからのアジア&南国好き。NYどころかアメリカに行ったこともなかったし、正直言って、それまであまり興味もなかった。
「NYは刺激的な街」「みんなが夢を追う街」「いつかNYとかで個展できたらいいね」「誰にでもチャンスがある」などなど……。今まで色んな人から聞いた言葉の断片が、急に思い出されたのだった。

思い立ったが吉日、とりあえず行ってみよう。イヤだったら別の国に変えればいいや。
そう思って、3週間の下見旅行に出発したのだった。

NYの最初の印象。それは「東京に似てるなぁ」ということ。
たしかに、ごちゃまぜの人種や石造りの街並み、時折聞こえる銃声は東京にはないけど、下町育ちの私にはどうしても、マンハッタン=山の手、ブルックリン&クイーンズ=下町に思えてしまう。おかげで雰囲気に慣れるのは早かった。
居心地がいい理由は他にもある。
人種のるつぼと言われるだけあって、地下鉄の座席1列に座ってる人たちが全部違う人種、なんてことも当たり前。いろんな国の人がいて当然だから、旅行者も新参者もニューヨーカーも区別がつかないのだ。だから自由にふるまえるし、移住生活のシュミレーションもしやすい。
これは旅行者と見るやたくさんの客引きが寄ってくる東南アジアの旅行では、まずありえないことだ。

ブルックリンの安宿にチェックインした後は、ひたすら美術館とギャラリーを巡る日々。自慢じゃないが、いまだにエンパイア・ステート・ビルにも登っていないし、自由の女神も見ていない。
宿の共同キッチンで朝食と夕食を欠かさず作り、昼食はデリのサンドイッチ。美術館の入館料や交通費以外は徹底して節約し、足が棒になるまで歩き続けた。
ちなみにMOMAは2日間、メトロポリタン美術館は3日間通った。あれだけ広い美術館をじっくり見るには体力も時間もたくさんかかるのだ。途中台風やテロ予告で宿に缶詰になっていた日は、絵を見に行けないならしょーがない、とばかり1日中眠ってばかりいた。
この街でどんな絵が描かれていて、どんな絵が売りに出されてるのか。それは東京とどれだけ違うんだろう。そう思いながら歩きまわって、あっという間の2週間が過ぎていった。
by webmag-d | 2007-02-06 12:46 | NY!NY!NY!